【叡王戦】六段戦 ▲金井恒太 六段 vs △宮田敦史 六段 【相振り飛車】
第2回 叡王戦
戦型は、相振り飛車
(▲向かい飛車・美濃囲い vs △三間飛車・矢倉)
二日前の対局ですが…
棋譜はこちら
▲金井恒太 六段 vs △宮田敦史 六段
中堅棋士同士の一局。
金井六段は、ウィーン出身らしい。どうでもいいが私の知人にザルツブルク出身の者がいる。少しオーストリアについて語らせてくれ。ハプスブルク(オーストリア)帝国は、ヨーロッパで最後まで粘りに粘った中世型の「帝国」。だが、最後はたった1回の戦争に負けただけで、完全に解体されてしまった。今のオーストリア共和国の範囲は、かつて舎弟扱いしていたチェコとかスロバキアとかハンガリーとかとよりちょっと小さいくらいの国土となってしまった。
ただ、帝国の末期でもボスニア併合とか成果を上げているのは、まあ、すごいと思う。でも、やはり広げすぎか。調子に乗って拡大しまくってはじけてしまうのはドイツ人の性なのか。そういえば、ドイツ人追放の際、オーストリア系は追放されたんだっけ。まあされただろうか。それは少し気の毒かな。でも、「ドイツ」外の(民族)ドイツ人は、「ドイツ」に帰属を持っていたのであって、「オーストリア」が浮かぶことはなかったか。
閑話休題。
向かい飛車 対 三間飛車の相振りは、どちらを持っても指すので参考になった。
どちらも長考派なので、序盤から長考の応酬。
* ▲38銀
ここから角交換して△28角とついつい打ちたくなるが、以下、
- 41角
- 22飛
- 52角成!
- 同玉
- 18金打
で、角が死んでしまう。しょぼいコンピューターとか、私めなんかは何も考えずに打ってしまいそうだ。
後手が自然とペースを握り、先手は手待ちのような手を指し、手詰まり気味に。後手は端から攻める。相振りではよくある進行。この攻めがあるので、相振りの美濃は端を突かず、玉もこの位置の場合が多い。それでも端攻めは厳しい。
* △97歩打
細かいが、桂馬を跳ねる先に歩を打たないと、97歩打を同香ととってもらえず桂跳ねが空振る可能性がある。
* △51桂打
いったん受けないと、63銀打が厳しい。だから受けるのは当たり前かもしれないが、私などは実戦では何も考えず28ととか指してしまいそうだ。
気づいたら後手の宮田六段端攻めが炸裂しており、そのまま宮田六段が押し切って勝利。
感想
先手の受け間違えもあり、最終的には後手の大差になった。
先手は、49飛車、18香、端の突き越しが働かなかった。前者の2手は、先手にどういった構想があったのだろうか。先手から中々動きづらかったので手待ちの意味だろうか。だが、49飛車はのちに67桂馬打ちが絶好打になってしまった。まあこの辺りは運が悪かったと言ってもいいのかもしれないな。
あと最後、金井六段が最後記録係を気遣っていたのが和みました。
PCを買って、リアルタイムで棋譜を打ち込んですぐ解析できるようにしたい。
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