【叡王戦】六段戦 ▲金井恒太 六段 vs △宮田敦史 六段 【相振り飛車】

第2回 叡王戦

戦型は、振り飛車

(▲向かい飛車・美濃囲い vs △三間飛車・矢倉)
二日前の対局ですが…

棋譜はこちら

www.eiou.jp

▲金井恒太 六段 vs 宮田敦史 六段
中堅棋士同士の一局。

金井六段は、ウィーン出身らしい。どうでもいいが私の知人にザルツブルク出身の者がいる。少しオーストリアについて語らせてくれ。ハプスブルク(オーストリア)帝国は、ヨーロッパで最後まで粘りに粘った中世型の「帝国」。だが、最後はたった1回の戦争に負けただけで、完全に解体されてしまった。今のオーストリア共和国の範囲は、かつて舎弟扱いしていたチェコとかスロバキアとかハンガリーとかとよりちょっと小さいくらいの国土となってしまった。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/50/Dissolution_of_Austria-Hungary.png

ただ、帝国の末期でもボスニア併合とか成果を上げているのは、まあ、すごいと思う。でも、やはり広げすぎか。調子に乗って拡大しまくってはじけてしまうのは人の性なのか。そういえば、追放の際、オーストリア系は追放されたんだっけ。まあされただろうか。それは少し気の毒かな。でも、「」外の(民族)は、「」に帰属を持っていたのであって、「オーストリア」が浮かぶことはなかったか。

閑話休題


宮田六段は、詰将棋に強い。私が応援している棋士である

向かい飛車三間飛車相振りは、どちらを持っても指すので参考になった。

どちらも長考派なので、序盤から長考の応酬。

* ▲38銀

ここから角交換して△28角とついつい打ちたくなるが、以下、

  • 41角
  • 22飛
  • 52角成!
  • 同玉
  • 18金打

で、角が死んでしまう。しょぼいコンピューターとか、私めなんかは何も考えずに打ってしまいそうだ。

後手が自然とペースを握り、先手は手待ちのような手を指し、手詰まり気味に。後手は端から攻める。相振りではよくある進行。この攻めがあるので、相振りの美濃は端を突かず、玉もこの位置の場合が多い。それでも端攻めは厳しい。

* △97歩打

細かいが、桂馬を跳ねる先に歩を打たないと、97歩打を同香ととってもらえず桂跳ねが空振る可能性がある。

* △51桂打

いったん受けないと、63銀打が厳しい。だから受けるのは当たり前かもしれないが、私などは実戦では何も考えず28ととか指してしまいそうだ。

気づいたら後手の宮田六段端攻めが炸裂しており、そのまま宮田六段が押し切って勝利。

感想

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先手の受け間違えもあり、最終的には後手の大差になった。

先手は、49飛車、18香、端の突き越しが働かなかった。前者の2手は、先手にどういった構想があったのだろうか。先手から中々動きづらかったので手待ちの意味だろうか。だが、49飛車はのちに67桂馬打ちが絶好打になってしまった。まあこの辺りは運が悪かったと言ってもいいのかもしれないな。
あと最後、金井六段が最後記録係を気遣っていたのが和みました。


PCを買って、リアルタイムで棋譜を打ち込んですぐ解析できるようにしたい。

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