【NHK杯】1回戦第13局 ▲永瀬拓矢 六段 vs △戸辺誠 七段 【中飛車】

将棋フォーカス

竜王戦先崎vs藤森戦、棋王戦豊川vs佐々木戦、王座戦佐藤康vs羽生戦、王座戦羽生vs中村戦で現れた、絶妙!次の一手
前者二つは退路封鎖の実践的な手で、後者二つは絶妙の一手。
どれも考え付きづらいが、指されてみると納得の一手。このような手が指せたらさぞかし気持ちいいのだろうよ。

第66回 NHK杯テレビ将棋トーナメント

永瀬拓矢 六段 vs 戸部真 七段

永瀬六段は、棋聖挑戦中。超有望若手棋士羽生さん相手に4勝1敗。

戸辺七段も若手強豪で、子供が三人いるらしい。

解説は、阿久津主税八段。彼もB1の強豪である。

戦型は、対抗形(▲居飛車 vs △中飛車穴熊) になった。

戸辺七段の無理気味の攻めに対して。※画像は、指し手の前の最終手。


銀が助からなさそうに見えるが…。

  • ▲4八歩


    飛車と馬の交換は後手得なので、仕方なく△同馬だが以下▲2九飛 △3八馬 ▲7九飛 △4七馬 ▲5一桂成 △4六馬 ▲4一飛 と進んで、一手稼ぎ、先手で攻めることに成功。



以下、先手が暫く攻め続け、後手は必死の受けに。しかし…

戸辺七段の懸命の受けが通じ、一時は解説の阿久津八段をして逆転とまで言わしめたが。

  • ▲6三歩


    銀を渡すと、先手玉は詰んでしまい、71の銀が金縛りになってしまっている。 なので、馬筋を遮断し、逆に82銀成以下の詰めろをかける一手。 再逆転の一着だったと思う。

この後も懸命に後手が迫るが、わずかに届かず。

終わってみれば191手の大熱戦だった。

感想

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劣勢になってからの、戸辺七段の驚異の粘り、様々な罠が凄いと思いました(KONAMI感)。
天下一武道会のピッコロvsクリリン戦で、当初格下に見ていたクリリンとの死闘の末、最終的に勝ちはするもののピッコロが「世界は簡単に俺のものにはならないらしい(驚愕)」と言わざるを得なかったシーンを思い出した。プロは簡単には負けてあげない。

今週の将棋界

加藤一二三九段が、増田四段に勝って以来の久々の勝利を上村四段から挙げた。
羽生さんが叡王戦の本線出場を決めた。 うれしい。

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