【NHK杯】1回戦第14局 ▲稲葉陽 八段 vs △髙見泰地 五段 【横歩取り】

将棋フォーカス

今週は「さまざまな記録」について。
知っているものも多かったですが、奨励会最速抜け塚田泰明九段だと言うのは知らなかった。なんと2年4か月(羽生さんは3年、渡辺さんは5年かかったそう)でサクッとプロ入りを決めたとか。すごい。驚きました。
それにしても、平成2年、65歳でA級に在籍しっぱなし。そのうえタイトル挑戦まで見事敢行してしまう大山康晴さんは本当にすごいと思いました(小学生並みの感想)。

第66回 NHK杯テレビ将棋トーナメント

稲葉陽 八段 vs 髙見泰地 五段

稲葉八段は、前期、A級に昇級した。超有望若手棋士。今期もここまで絶好調で、間違いなくこれから佐藤天彦名人らと時代を作っていくのだろうよ。

髙見五段も若手でなかなか強い。

解説は、石田和雄九段。髙見五段の師匠である。引退済み。彼の、近所の面白いお爺さんのような解説が非常に楽しかった。

戦型は、横歩取り △8四飛・5八玉。私は全く指せない戦型だが、今日のは力と力のぶつかり合い、見ごたえのある捩じりあいの応酬といった一局で、楽しんで見られた。
以下、感想です。

先手中住まい、後手58玉・72銀型から、駒組みもそこそこにすぐ開戦。

  • (▲9一角成に対して)△2七と


    解説の石田九段は△1八歩を推奨していた。

    香車を取り返し、と金も2枚できるからだ。
    しかし、髙見五段はそれをぬるいとみて、すぐ△2七とで攻める。 このあたりは棋風が出るところだろうか。以下、▲同飛 △1九香成 ▲同馬 と進んで、


この局面に。ここから△1六角 ▲5六香 △3六香!の攻め。

ここから金を取り、飛車を8筋に回して攻める後手に対し、先手は中央に香車を2枚張って一気に終盤戦へ。
後手は先手の1九の馬を封殺し、あとは先手の攻めが切れるかどうかの状況。だが、稲葉八段の攻めは鋭く、石田九段の解説もジェットコースターのようになってゆく。

  • (▲5五桂打に対して)△5二金
    成香の位置をずらして、一手稼ぐ。


懸命に先手が迫るが、ギリギリ後手の髙見五段が余していた。

髙見五段が、あの強い稲葉八段を見事倒すという結末に!

感想

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髙見五段、TUEEEE!!!!!!!!

今週の将棋界

永瀬六段が棋聖奪取に王手をかける。